カスタマーサポートFAQ AIの設計手順|失敗しない一次対応の進め方【2026年版】

このガイドでは、問い合わせ履歴の分類から、FAQ整備、AIと有人対応の切り分け、回答テスト、Web公開、運用改善までを5ステップで整理します。

注文・配送・返品・アカウント設定などは、繰り返し発生しやすい問い合わせです。定型の案内は登録した文書の範囲で行い、個別判断が必要なものは有人窓口へ残します。

先に体験する:カスタマーサポートのライブデモを見る(登録不要)。できることは カスタマーサポートFAQ AIの機能を見る で確認できます。

導入前と導入後の流れ

よくある質問はAIが案内し、判断が必要な質問は担当者の窓口へ残します。

カスタマーサポートFAQ AIの導入前と導入後の流れ
時点 流れ
導入前 顧客 → FAQを探す → 見つからない → 問い合わせ → 担当者が回答
導入後 顧客 → AIへ質問 → 定型質問なら登録文書の範囲で回答 → 判断できない場合は有人窓口へ案内

導入前チェックリスト

登録を始める前に、次が決まっているかを確認します。

  • 過去の問い合わせをカテゴリ分けできる
  • 最新のFAQ、利用規約、返品規約が分かる
  • 古い情報と最新情報を区別できる
  • AIでは回答しない問い合わせを決めた
  • 有人の問い合わせ先(フォーム、メール、電話など)を決めた
  • ナレッジの更新担当者を決めた
  • 公開前に質問テストする担当者を決めた

設計・導入手順(5ステップ)

1. 問い合わせを分類し、最初の対象を決める

最初から全カテゴリを対象にせず、問い合わせ件数の多い1カテゴリから、少数の代表質問で試すと、回答の質を確認しやすくなります。例として、20〜30問程度から始める進め方があります。

問い合わせカテゴリと、AIで案内しやすいかの例
カテゴリ 質問例 AIでの案内
配送ルール 何日で届く? 高。通常の日数が文書にあれば案内できる
返品条件 返品期限は? 高。期限と条件が文書にあれば案内できる
支払い方法 利用可能な決済は? 高。掲載されている方法を案内できる
操作方法 パスワード変更方法は? 高。手順が文書にあれば案内できる
個別の注文状況 私の商品は今どこ? 向きにくい。お客様の荷物の現在地は、登録した案内だけでは分かりません
個別の返金判断 このケースは返金できる? 低。規約の一般条件を超える判断は有人向き
クレーム 対応してほしい 有人向き

一般的なFAQと、個別の顧客データ

KnoAskが答えるのは、登録したFAQ、マニュアル、規約、ヘルプページの内容です。お客様ごとの注文システムとはつながっていないため、その人の注文状況や契約内容は、文書に書いてある範囲でしか案内できません。

登録した案内で答えやすい質問と、それだけでは答えられない質問
区分 例
登録文書で答えやすい 配送に通常何日かかるか。返品条件。支払い方法。パスワード変更手順
登録した案内だけでは答えられない 私の注文は現在どこにあるか。私の返金処理は完了したか。私の契約状態はどうなっているか

ECとSaaSで先に置く質問

両方を一つの長文マニュアルにまとめず、多いカテゴリだけを先に文書化します。

  • EC:配送、返品、支払い、領収書
  • SaaS:初期設定、操作方法、プラン、解約、アカウント

2. 正しい回答元を決める

WebのFAQ、利用規約、返品ポリシー、社内マニュアルで内容が違うと、AIはどちらが正しいか判断できません。登録する前に、正しい回答の基準を一つ決めてください。基準にしなかった古い文書は、登録したままにしないでください。

期間限定の情報は、更新漏れが特に起きやすいです。次のような記述が残っていると、終了後も案内されることがあります。

  • 送料無料キャンペーン
  • 期間限定の返品条件
  • 旧料金プラン
  • 終了済みのキャンペーンコード

料金改定、規約変更、キャンペーンの開始と終了のたびに、正しい回答元を更新する人を決めておきます。

3. 登録して、公開前にテストする

文書をアップロードするほか、公開中のFAQはページのURLを1件ずつ登録できます。サイト内のページをまとめて取り込むことはできません。ログインしないと見られないページや、開いたあとで本文が出てくるページは、取り込めないことがあります。登録したページは、およそ1日に1回、内容を取り直します。元のページが古いと、取り直しても古い案内のままです。

FAQやポリシーから関連情報を検索して回答する仕組みについて詳しく知りたい場合は、RAGチャットボットを参照してください。画面の操作は クイックスタート にまとまっています。所要時間は、資料の整理と登録件数で変わります。

公開前に、少なくとも次のタイプを試します。

  1. FAQにそのまま答えがある質問
  2. 顧客が口語で言い換えた質問
  3. 曖昧な質問
  4. 答えが登録されていない質問
  5. AIが回答してはいけない質問
  6. 前の質問の続き(「それはいつまで?」のように、直前の話題を受けた質問)

答えないテスト

正しく答えることと同じくらい、答えるべきでない質問に無理に答えないことが重要です。次は、文書に根拠がない限り答えない想定で試します。

  • 規約にない特別返金
  • 法的判断
  • 医療判断
  • 登録されていない個別の注文状況

登録した内容から答えが見つからないときは、「登録されている情報では、この質問に直接対応する内容を確認できませんでした」と案内し、関連しそうな質問を出します。問合せ先URLを設定している場合は、そのリンクも表示します。近い文書が見つかっても、文書にない内容を一般的な知識で補って断定することはありません。

回答したくない話題は、ボットの「禁止トピック」に追加できます。公開前に、その話題を実際に質問して、案内の仕方を確認してください。

4. 公開し、有人窓口への案内を決める

サポートページやヘルプページへ、埋め込みコードでチャットを設置します。表示してよいサイトを限定することもできます。手順は Webサイト設置ガイド を参照してください。

営業時間外でも、設置したチャットから質問できます。担当者がすぐ返事をすることや、チャットが常に止まらないことまでは保証していません。

答えられないときの案内先は、ボット設定の「問合せ先URL」です。登録した内容では答えられないとき、「お問い合わせ」のリンクを表示します。リンク先には、問い合わせフォームや、メールアドレス、電話番号を書いたページを指定します。

表示されるのは、その窓口へのリンクです。担当者の画面へ会話が自動で渡されたり、別の問い合わせシステムに記録が作られたりすることはありません。

個人情報は入力させない

チャットの案内文とFAQに、次を入力しないよう書いておきます。

  • クレジットカード番号
  • パスワード
  • 認証コード
  • 対応に不要な住所、電話番号
  • 健康情報など、対応に不要な個人情報

注文番号を入れても、その注文の配送状況が分かるわけではありません。番号を聞く場合は、聞く理由と、受け取ったあとの保管方法を決めてからにしてください。

5. 見直すタイミングと効果の見方

導入初期は短い間隔で会話を読み、安定したあとは月次、または内容が変わるときに見直します。次のときは間隔に関係なく確認します。

  • 料金改定
  • 規約変更
  • 新製品の公開
  • キャンペーンの開始と終了

自己解決できたかどうかは、見方で数字が変わります。チャットのあと有人の問い合わせが来なかったこと、お客様が解決したと評価したこと、FAQを見てページを離れたことは、別々の結果です。何をもって解決とするかを決めて、有人の問い合わせ件数と合わせて見てください。

効果の見方と、管理画面だけで分かるか
見たいこと KnoAskで確認できる範囲 別に必要なもの
会話ログ 会話一覧で読めます。保存される日数はプランによって違います なし
今月の質問数 利用状況に表示されます なし
良い評価・悪い評価 お客様が回答ごとに付けられます。件数のまとめは、分析機能があるプランです 評価が付いていない会話は、件数に入りません
時間帯・曜日 詳細な分析機能があるプラン ない場合は、会話一覧を読む
トピック別の件数 詳細な分析機能があるプラン。話題ごとに分けた質問が対象です 分ける前の質問は、件数に入りません
どの資料が使われたか 詳細な分析機能があるプラン ない場合は、会話を読んで確認する
問い合わせの減り方 管理画面だけでは分かりません 有人の問い合わせ件数と比べる
自己解決できた割合 管理画面だけでは判断できません 何をもって解決とするかと、有人の件数
再び問い合わせた割合 同じお客様の再問い合わせとしては分かりません 顧客管理や問い合わせ管理での集計

分析機能がどのプランにあるか、料金と上限は、料金プランで確認できます。

最初に試す質問例

お客様が実際に聞きそうな言い方です。

  • 案内できる範囲に限りがある:注文した商品がまだ届きません。どうすればいいですか? 通常何日で届くか、追跡ページの見方、問い合わせ先は、文書にあれば案内できます。そのお客様の荷物が今どこにあるかは案内できません。
  • AI向き:返品したいのですが、何日以内なら大丈夫ですか?
  • AI向き:クレジットカード以外で支払えますか?
  • AI向き:領収書はどこからダウンロードできますか?
  • AI向き:ログインできなくなりました。パスワードを忘れました。 変更手順は案内できます。パスワードそのものは、チャットに入力しないよう案内します。
  • AI向き:プランをダウングレードしたら、いつから反映されますか? 反映の目安が文書にあれば案内できます。そのお客様の契約が今どうなっているかは案内できません。

よくある質問

カスタマーサポートFAQ AIとは?
登録したFAQ、規約、マニュアルをもとに、よくある質問へ一次回答する仕組みです。お客様ごとの注文状況や契約内容は、その情報が文書になければ答えられません。
どの問い合わせからAI化するべきですか?
件数が多く、最新の文書に答えが書いてあるカテゴリからです。配送日数の目安、返品条件、支払い方法、操作手順が候補になります。個別の注文状況や例外判断は後回しにします。
全問い合わせをAIに任せてもよいですか?
すべてを任せるのは避けてください。規約にない例外、クレーム、個別の判断は、有人の窓口へ案内します。
個別の注文状況にも回答できますか?
お客様ごとの注文システムとはつながっていません。答えられるのは、配送日数の目安、追跡ページの見方、問い合わせ先など、登録した文書に書いてある内容です。
FAQと規約で内容が違う場合はどうすればよいですか?
AIは、どちらが正しいかを判断できません。登録前に、正しい回答元を一つ決めてください。両方を残すと、古い案内と新しい案内が混ざります。
AIが分からない場合はどうなりますか?
登録した内容から答えが見つからないときは、確認できない旨を案内し、関連しそうな質問を出します。問合せ先URLを設定している場合は、そのリンクも表示します。文書にない内容を、一般的な知識で補って断定することはありません。
有人サポートへ引き継げますか?
問い合わせフォームや案内ページへのリンクを表示できます。担当者へ会話が自動で渡されたり、別のシステムに問い合わせが自動で登録されたりすることはありません。
個人情報を入力してもよいですか?
クレジットカード番号、パスワード、認証コード、対応に不要な住所や電話番号、健康情報などは入力させないでください。注文番号も、必要性と保管のルールが決まってからにしてください。
導入効果は何を測ればよいですか?
管理画面では、会話の内容、今月の質問数、回答への良い評価と悪い評価を確認できます。集計できる範囲はプランによって違います。問い合わせがどれだけ減ったか、自己解決できたか、同じお客様が再び問い合わせたかは、有人の問い合わせ件数と、何をもって解決とするかを決めたうえで見てください。

自社のFAQで試す

0円のFreeプランで、登録した文書の範囲を確認できます。ボット数、会話数、登録できる資料の数、データの保存期間、クレジットカードの要否は 料金プラン を見てください。操作の流れは クイックスタート です。